大判例

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福岡高等裁判所 昭和26年(う)461号・昭26年(う)462号・昭26年(う)463号 判決

原審相被告人神崎定徳は単に窃盜本犯白石某の依頼により盜賍たるの情を知つて本件錫の売却方を被告人に転嘱した者に過ないから該物件に付右神崎に所有権その他の処分権は勿論、右物件の処分に付本来の所有者を代理すべき何等の権限なきこと洵に明白である。従つて右神崎の被告人に対する前示委託契約は代理の法理から所有者本人の追認なき限りその効力を生じないのみならず、元来公序良俗に反する事項を目的とする法律行為であるから当然無効である。そうだとすれば被告人が右物件の売却代金を保管中擅に之を費消したからといつて所有者でもなく又適法な委託関係も存在しない右神崎に対する関係において横領罪の成立すべき余地がない。又本来の所有者との関係においても右所有者と被告人間に委託その他何等の信頼関係の存在しない以上少くとも横領罪は成立しない。

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